8月19日に芭蕉の痔の話をしました。

海外での偉人の痔疾患を調べると、何と①ルイ14世は痔瘻②ナポレオンは血栓性痔核で悩んだそうです。

今日はナポレオンの話をします。

ナポレオン皇帝は1815年6月18日、46才の時にワーテルローの戦いに敗れ、セント・ヘレナ島に流されその生涯を閉じたのは皆様、歴史で習ったと思います。

さてワーテルローの戦いの2~3日前から血栓性痔核で悩んでいました。辛かったと思います。

かなりこじつけもありますが以下の想像が出来ます。

ナポレオンは「1日に3時間しか寝なかった」と言われています。皇帝かつ軍神というストレスのため夜は遅くまで酒を飲み、脂っこい物を食べて昼に寝るといった乱れた生活を送っていたようで、このような生活習慣は現代人でも痔核の発症原因となります。

規則正しい生活や食事の節制は、どんな病気でも重要だと思います。

 

 

 

私のよく読んだ漫画にはゴルゴ13と並んで手塚治虫の「ブラック・ジャック」がある。

中年以降の人は誰でも知っている名作である。

この天才外科医にあこがれて外科医になった人は私以外にも大勢いる。手塚治虫は大阪大医学部卒の医師であるから尚更であろう。

さてその中から「アナフィラキシー」と題するエピソードを取り上げる。コロナワクチン接種に伴う副作用として今や多くの人が知るワードとなった。

さて主人公は若い軍人。シナイ半島の戦役で重傷を負っている。すぐにでも手術が必要だが、彼は麻酔薬に対するショック症状(アナフィラキシー)があって、これが出来ない。ここで天才外科医のブラック・ジャックが登場する。彼は薬剤を使わずに麻酔をかけ、みごとにこの患者を手術した。しかし若者は、術後の体に自ら麻酔薬を注射してアナフィラキシーを起こさせ自殺してしまう。そうすることで再び戦場に送られて人殺しをするのを回避したのです。

現在、ワクチン接種の賛成派、反対派が居るのは事実で、どちらも強制はされていません。ブラック・ジャックが居たら、このコロナ禍をどう考えたでしょうか。

 

 

今日は芭蕉の持病についてお話します。

それは、切れ痔(裂肛)です。そんな悩みをうたった歌が「奥の細道」にあります。

「持病さへおこりて消入計(きえいるばかり)になん」。

(持病まで起こって苦しみのあまり気を失いそうになった。)

私の外来にも「切れ痔」の方は多く見えます。肛門の出口から2~3㎝の奥までを肛門上皮と呼びますが、そこが傷つき痛みや出血を伴います。多くは硬い便が出るときに傷がつきますが、下痢や柔らかい便でも力んだ時に傷がつきます。

前述の句は芭蕉が旅の途中で持病の激痛に襲われ苦しんでいたとき読んだとされています。

弟子の妙行あてに「持病下血などたびたび、秋旅四国西国もけしからずと、まずおもひとどめ候」と手紙を送っています。

持病の裂肛に悩みながらの2400㎞の奥の細道。

大変だったと察します。

 

 

コロナワクチンへの心理的な距離が一部で縮まっていない。7月に実施した首都圏の20代から60代の3129人への調査では接種に否定的、消極的な人は4割、特に20~30代の女性は6割弱という。

さてワクチンの歴史をひもといていくと、8月3日の日経新聞「春秋」に次のような記事があった。

幕末に上方の医師、緒方洪庵が天然痘を予防する「種痘」へ傾ける情熱が「陽だまりの樹」(手塚治虫原作)の中で詳しく描かれている。

牛痘のウィルスを人に接種したため庶民の間では「打つとウシになる」との根強い迷信があった。

洪庵はウシに乗った神様が病魔を退治する絵を手に人々を説得した。また江戸から来た弟子に自らの苦労を語り、「君には種痘の技術より、いかに種痘を人々に理解させるかを学んでもらわねばならん」と説いた、とある。

往時も今も最先端の成果を前に様子見したり、とまどったりする人間の心のあやは変わっていないようです。

皆様、どうか前向きに理解下さい。

(追伸)

城山ロープウェイに勤めている患者さんから「是非、松山城のライトアップを見に来て下さい。」と誘われ、まだ明るかったですが行って来ました。

「火の鳥」は一番、すばらしかったです。いつ見てもすばらしいイベントです。

 

 

「人に教える」ということは本当に難しい。

人それぞれ性格も能力も違うことがまずあげられる。同じ事を教えても吸収力の良い子と悪い子がいる。

私も職員のみならず患者さんへの病気に対する治療等の教育に手こずる事がある。

8月1日の日経新聞に、ためになることを書いてあったので引用する。

「凡庸な教師はただしゃべる。よい教師は説明する。すぐれた教師は自らやってみせる。そして偉大な教師は心に火をつける」と。

はたして私が「火をつける」だけの教え方が出来ているだろうか?

反省も含めて「教育」の仕方を考え直している今日この頃です。

(追伸)

「舟釣り」

先日、恒例の「舟釣り」に職員5人で海へ出かけた。

なかなかコロナで院内行事が出来ていない昨今、貴重な時間を過ごせました。

 

こんな熟語を中学の時に習いました。

「おの」は、かまきりの前足の意味です。

いにしえの中国。車に乗る王様が道で一匹のカマキリを見つけた。すると従者が「この虫は進むことしか知りません」と。

ふつうは王様の車にひかれて即死となるかまきりですが、王様が「こやつがもし人間なら天下に名をとどろかす勇武の者になる」と、かまきりを避けて通らせたとあります。

自らの非力さをかえりみず敵に向かおうとすることを言います。

蛮勇への戒めのほか、捨て身の勇気への称賛の意味もあるようです。

天安門事件で一人、戦車に立ち向かった男性。

「専制に挑んだ英雄」なのか「無名の反逆者」なのか?考えさせられました。

(追伸)

ゆうり、まりかのバレエの発表会の時の写真を出します。

会社であれば必ず上司と部下が存在します。

今日は上司の心得を話してみます。

上司には常に判断、決断ということがついて回ります。その際に不安や焦りを顔に出してはいけません。部下は不安一杯になります。

デンと構えて不安、焦りを隠せてこそ、部下への信頼感、説得力もまた醸成されることは言うまでもありません。

よく引き合いに出されるのが政治家では竹下登元首相です。

竹下さんの語録には「怒気怒声を発するは一の益あるかを聞かず」と。(早稲田大学創設者の大隈重信の言葉)。どんなに窮地になっても怒鳴ったり怒ったりするのは何も生まないということです。

私も含めて「上司」の皆さん、努力しましょう。

 

 

 

夏に大人気のアイスバー「ガリガリ君」でおなじみの赤城乳業。大昔にブログで1度取り上げました。「乳業」とあるのに何故、アイスなのか?ですが、元からアイス以外の乳製品は作っていません。

社名を付けた1960年当時、社名に「乳業」を付けるのがはやっていたからだ、とか。

さて、ガリガリ君と言えばソーダ味が定番ですが、夏は2016年より季節限定で「梨味」を出しています。

他社にはないラインナップです。

原料メーカーから非常に出来の良い「梨香料」の提供があったからこそ作れたそうです。

是非、トライしてみて下さい。封を開けた瞬間に梨の芳醇な香りが広がります。

 

 

2021・5・18の日経新聞「春秋」に興味ある記事が載っていた。

中国語が専門の名古屋大大学院教授、丸尾誠さんがラジオで留学中の体験を披露した。

中国で列車の扉が開き、乗客がどっとなだれ込む。ここまでは日本も一緒。

そこに発車まぎわの、お年寄りが乗ってくると、今度は席を譲ろうとわれ先に立ち上がった、というお話。

さすが、7月5日のブログで取り上げた「論語」の国である。2500年前から父母への愛である「孝」や年長者へ向ける敬意「悌」(てい)を道徳の根本に据えてきた本場ならではである。伝統は現代にも生きているようです。

いつの時代も年上を敬う。

日本もコロナワクチン予約で孫が祖父・祖母の予約をする姿には、ほっこりしました。

 

 

さいとう・たかを先生の「ゴルゴ13」単行本が最も発行巻数が多い単一漫画シリーズのギネス世界記録を更新した。(201巻)

何度もブログで書いてきたゴルゴですが、今日はその「性格」をまとめてみた。読者なら納得すると思いますが、何と言っても危機管理能力の高さだと思います。

①自らの性格について「うさぎのように臆病だ」と語っている名セリフがあります。これは私も座右の銘にしています。私も手術は何度やっても直前には緊張の汗が出ます。1度も、楽勝と思って臨んだことはありません。

②完璧主義であること。

一発の不発弾による狙撃の失敗に対し徹底的に追及して原因をハッキリさせるまで仕事を受けない。

③ビジネスライクな姿勢を重んじる。

時間厳守。無駄な会話はせず自らの仕事のスタイルを相手にも要求し、同意されない場合は依頼を受けない。

④恩人は全力で助け、亡くなった場合は、その人の運営会社に莫大な寄付したり家族を無償で助ける。

まだまだありますが、さいとうたかを先生の益々の御健康を祈っています。