50年以上前に心理学のマーティン・セリングマン博士が発表した「学習性無力感」の実験がある。

「どうせ何をしてもダメだ」という無力感を学習すると頑張らなくなることを実証した実験である。犬を使って行われた。

ここに現代の心の持ち方のヒントがある。

緊急事態宣言を出しても大幅に減らなかったと言われると「何をやっても同じだ」という考えに陥りやすい。一時のピークに比べると確実に減っているのは事実だ。何が良くて何が良くなかったかを冷静に判断し明確なメッセージを発信すれば多くの人が抱いている無力感は和らぎます。

「やっぱりダメだった」を口走らないようにしましょう。

 

世の中には2種類の人がいます。

「謝れる人」と「謝れない人」です。

「潔い謝罪」はその人の信頼度を高めてくれる。誤り上手な人は人間関係の達人でもある。クレームをつけられたら「言動を改善する機会をもらった」と思える人である。その結果、「嫌われない」「無視されない」「干されない」といった副産物も得られる。

逆に「謝れない人」は能力が高くても人生のあらゆる場面でチャンスを逃す。謝らないことで尊厳を守ったつもりでも実は相手から見下されるからです。

チームのルールを破ったことで上司が注意することはよくあると思います。その時に逆ギレする人が居ますね。こういうタイプの人は周囲に3回迷惑をかけています。1回目はミスしたりルールを破ったこと。2回目は第3者に気を使わせながら注意させたこと。3回目はその場をこじらせたこと。これほど迷惑をかければ除外されても仕方がない。

結論として、謝れずに人間関係をこじらす人とはつきあわない方がいいです。縁を切るか適当に距離をとりましょう。

限られた自分の人生において、そういう人の内面の屈折につき合う必要はありませんから。

 

 

 

自分の意思とは関係なく自動的に全身の器官の活動をコントロールしているのは「自律神経」。意識しなくても呼吸が続いたり、心ぞうが動いたり、汗をかいたり、体温が変化したり、胃腸が消化活動を行ったりするのはすべて自律神経の働きによるものである。

「戦闘モード」の交感神経と「リラックスモード」の副交感神経。その場の状況に応じてどちらかが優位になりシーソーのようにバランスをとりながら働いています。

しかしこの機能が不全になると自律神経失調症が起こります。検査では分からない不定愁訴。

頭痛、めまい、疲労感、低血圧、頻脈、動悸、吐き気、下痢、便秘等々。

これらの乱れにはさまざまなストレスや不規則な生活習慣が大きく関わってきます。

今回は「骨格のゆがみ」からも起きることを話します。姿勢が悪いと何故、自律神経が乱れるのか?

自律神経は脳の視床下部から始まり、脊髄を通って全身の各器官につながっています。

途中の脊椎というS字カーブを保っている骨のトンネルの中を通るのですがカーブが変形したり、ずれたりすると自律神経が正常な働きをしづらくなるのです。姿勢を正しく保つのもとても大事な事なのです。

是時、参考にして下さい。

 

 

最近、ある男性が、「からすに頭をつつかれた。」と来院。会社でかなり出血していて、病院へ行くように言われたそうです。

見ると写真のように頭頂部に切創があり裂けています。縫合も考えましたが、雑菌混入も考え、消毒、ガーゼで覆い、2日間で治癒しました。

私も34年間、やってますが、ここまでのからすの攻撃は初めてです。

そこで実態を調べてみました。

カラスには主に「ハシブトカラス」と「ハシボソカラス」があり、人を襲うのはハシブトカラス。繫殖期のヒナを守るため巣のそばを通りかかる人の頭を攻撃し、その時期は4月からは8月が多いそうです。巣の近くを通るときは帽子が必須だとか。

今までそこまではと考え、「カラスの勝手でしょ」などと安易に考えていた自分を反省しました

皆さん、気をつけて下さい。

(追伸)

余談ですが1930年代、旧ソ連で吹き荒れたスターリンによる大粛清の嵐。罪のない人々を護送した特別車両は「黒いカラス」と恐れられました。

 

「65才以上の方のワクチン接種を7月末までに」という国の方針で愛媛県も例外にあらず、急ピッチで接種を進めている。

今回、保健所の依頼で5月23日(日)、三越での集団接種に参加した。当院から看護師3名も帯同した。医師は8名体制で問診を行い、問診表を見ながら接種可、不可更に15分か30分待機を次々と決めて行きます。

約3時間で500名近くの方を接種出来ました。

終わって医師が集まり今回の三越での、受付から問診、接種までの流れが非常に遅滞なくうまく行ったこと、更にショック等は見られなかったことから今後どんどん集団接種を拡大して愛媛県民の全員接種終了を目指そうと誓い合いました。(写真の注射は当院の看護師です。)

 

 

 

 

「コロナの世界的大流行下における、こころの健康維持のコツ」が国際双極性障害学会や生活リズム学会で発表されました。

その中の自己管理術をいくつか紹介します。

1. 自宅待機や在宅勤務であっても、自分自身で毎日決まって行う日課を設定しましょう。そうすることで、あなたの体内時計は安定して働くようになります。

2. 毎日、一定時間を屋外で過ごすようにしましょう。(密閉・密集・密接の3密の状況を避け、一人でいられる場所で)。体内時計の時刻合わせには、朝の光が欠かせません。朝といっても、お昼近くよりは、午前中の早い時間帯が望ましいでしょう。

3.  毎日、運動をしましょう。できれば、毎日、同じ時間帯で。

4.  毎日、同じ時間に食事をしましょう。食事の時間になっても、食べたくない時もあるかもしれませんが、それでも時間が来たら少量でもよいので何かを口にしましょう。

5. 日中の昼寝(特に、午後遅くの昼寝は)は避けましょう。もし、どうしても昼寝が必要な方は最大でも30分以内に抑えましょう。昼寝は、夜の深い睡眠を妨げます。

6. 自分自身に合った、起床と就寝の時間を決め、一貫してその睡眠リズムを保つようにしましょう。もし、あなたが夜型ならば、たとえ家族の人より少し遅く寝て、少し早く起きることになったとしても大丈夫です。毎日、同じ時間に床につき、同じ時間に起きることがポイントです。

 

 

一子相伝というお酒を34周年の記念にいただき、賞味しました。とてもおいしい焼酎でした。

「一子相伝」とは、学問や技芸などの師がその奥義、秘伝、本質を自分の子どもの中の、ひとりだけに伝えて他の者には秘密にすることだそうです。

このお酒は山元酒造(鹿児島)が自信を持って造っている逸品です。1万本限定で造られたようです。

いただいた方の気持ちを深読みすると「私の外科医の手技を長男のみにそっと教えろ」ということでしょうか?

感謝致します。

 

 

新型コロナ感染症について語るとき、やはり100年前のスペイン風邪を参考にせねばならない。

患者数6億人、2000万人~4000万人が死亡したとされるが、これはやはりウィルス風邪の起源である。

ウィルス学者は過去のウィルスを探索しようと、ロシアでは融解した永久凍土層から出土した動物の死骸を分析し先史時代のウィルスの研究を始めている。

既に永久凍土に長年、閉じ込められていた感染症が出て来ている。2016年にロシア極北シベリアで炭疽(たんそ)が集団発生して子供1人が死亡している。

今後、永久凍土が溶けることは、コロナよりもっと怖いウィルスが出て来て世界で流行するかもしれないとウィルス学者は述べている。

追加ですが、黄熱病に倒れた野口英世の解剖を行った病理医のウイリアム・ヤングが剖検の8日後に亡くなった。おそらく剖検中の黄熱病ウィルス感染だったと言われている。

怖い話ですね。

 

 

いよいよオリンピックが7月23日に迫ってきた。

開催にYesかNoか?その議論よりも全国民が自分の市や県の感染、つまり「今そこにある危機の対策」に精一杯なのが実情である。もちろん菅首相の開催したい気持ちも分からなくはない。やらないと莫大な投資の回収が出来なくなるということと、今まで頑張ってきた選手達の気持ちも尊重したい。

しかし今回は国民の命がかかっている。人命は地球より重いと以前から言われてきた。

お膝元の東京では新型コロナ対策も、手詰り感を呈している。

国会では野党の「No」の声はたくさん聞いているが、与党(自民党、公明党)の議員からは開催の是非についての意見がほとんど出て来ない。変異株の外国からの侵入に怯える東京都民。はたして東京都知事、小池さんはいかなる決断を下されるのでしょうか?とに角、急いで欲しいと思います。

尚、私の周囲の医師たちは、ほとんど方が「No」です。

 

 

コロナ感染症で一番、打撃を受けているのは飲食店である。とても辛い状況が続いている。

では日本全体の企業がそうかとなると実は潤っている企業もある。

テレワークの普及や巣ごもり時間の増加でスーツはさっぱり売れないが家具は絶好調のようだ。人々の行動や意識が変わり、レジャーボートや水上バイクなどを操縦できる小型船舶免許の合格者まで急増したそうである。

アウトドアスポーツの典型としてゴルフ産業にも追い風が吹いている。

患者さんも、よく「平日、行ったら満員で一杯だった」とゴルフ景気に驚いています。

「風が吹けば桶屋がもうかる」の江戸時代のことわざを思い出しますが、やはり、片寄った景気は嫌ですね。