急に冷えこんできた昨今。やはり日本は四季から二季(夏、冬)の時代に入ったと思われる。

いずれにしてもあの暑い夏から急に秋、冬へとなって体調不良や、やる気が出ない等の「秋バテ」が多く見られます。

秋バテは疲労感、だるさ、頭痛、めまい、便通異常、不眠、食欲不振、ヤル気の低下等の症状が表れます。

原因は自律神経に大きな負担がかかって乱れてしまうからです。主な原因は「気候の変化」と「日照時間の短縮」です。現在、猛暑の夏から肌寒い秋、冬への対応に(体温を一定に保つために働いている)自律神経はフル回転をしています。気温の変化の影響を小さくするには、カーディガンやジャケットを持ち歩いて、こまめに対応して下さい。

それと日照時間の短縮により、セロトニンの分泌が減り自律神経が乱れます。セロトニンを分泌させるには日に当たることと、朝に軽く散歩をするなど外に出て分泌のスイッチを入れて下さい。セロトニンの材料となる「トリプトファン」を摂ることも大事で、味噌汁、納豆、豆腐なども十分摂って下さい。

 

柿の季節がやってきました。日本や中国が原産国。学名も「KaKi」。種類は1000種あり、渋味のもとであるタンニンが水分に溶けない「甘柿」。タンニンが水に溶けて渋味を感じる「渋柿」に分けられる。

柿を生で食べると100g当たり60㎉。ビタミンCはミカンの2倍以上で100g当たり70mg含まれています。

完全甘柿のうち半分以上占める富有柿は1個150~200gなので1個食べれば1日の接種目安の100mgのビタミンCを摂取できる。小腹がすいた時のおやつにお勧めです。

柿には食物繊維、ビタミンA、葉酸、カリウムやマンガンなども豊富に含まれています。

柿を選ぶ時は実が鮮やかなオレンジ色でヘタが緑色で乾燥していないものがベスト。

軟らかくなりすぎたら、冷凍してシャーベットにしたり牛乳と一緒にミキサーにかけてスムージーにして食べるのもお勧めです。

 

コロナ流行の今年であるが、100年前のスペイン風邪の話は以前にしました。

疫病は時代をさかのぼれば、いくつもありその度に人間はあらゆる知恵で対抗してきました。

今回は「天然痘」のお話です。

別名、疱瘡は6世紀頃にわが国に伝来し、江戸時代には各地で猛威を振るった。感染力が極めて高く、死亡率は20~50%に達する恐るべき疫病であるが、唯一の救いは一度かかれば免疫が生じることである。

イングランドのエドワード・ジェンナーが1796年に開発した牛痘接種法は確実性と安全性によって急速に普及し、わが国にも「オランダ風説書」を通じて情報が入った。シーボルトの弟子の佐賀藩医の楢林宗建がオランダ商館を通じて入手した牛痘痘苗を長崎で自分の子供に植えて持ち帰り藩の全面的な協力を得て、広範囲に接種を実施した。

後に「お玉が池種痘所」が出来、蘭方医が増員されていった。順天堂や適塾の開設などが続き、近代医学の夜明けが近づいたのである。

「免疫」の獲得。今、コロナに対する免疫をいかにして全人類に獲得させるか。いつの時代も学者は闘いの毎日なのです。

(追伸)

ゆうり、まりかの姉妹は、とても仲良しです。

8才も違うとゆうちゃんは完全にママ役ですね。2人仲良くアイスを食べています。

さて、まりちゃんは9月よりピアノを習い始めました。

まだまだドレミの段階でしょうが、結構、上手に両手で弾いているようで驚きです。

ゆうちゃんの影響でしょうか?

 

原因不明の体調不良や体のだるさの時に疑う病気の1つに「副腎不全」があります。

腎ぞうの上にある小さな臓器ですが、いわゆるステロイドホルモンを分泌しています。

ステロイドはストレスと戦うホルモンです。体に病気や過労などのストレスがかかると、それに耐えるためにステロイドホルモンが分泌されます。

ところが副腎の働きが悪かったりすると副腎不全になり、体はだるく重く感じ、進行すると血圧が低下し低血糖になり低ナトリウム血症にもなります。

原因不明のだるさが続くときはホルモンの異常を疑う必要があります。

(追伸)

以前にお話した、盲導犬ばん君が再び飼主と来院しました。ラブラドール・リトリーバーはとても賢い犬です。診察室でも「sit(座れ)」の命令できちんと左横に座って動きません。ばん君は6才ですが患者さん曰く、「9~10才で引退することを考えると、今から辛い」と。

皆さん、当院で見かけたらどうか優しい気持ちで接してあげて下さい。お利口の写真をどうぞ。(尚、飼主の同意を得ております。)

 

 

 

世の中、「人の知能はいらない。AIがあるから」という風潮が最近、よく見られる。何でも機械、コンピューターに頼る。それ自体は効率的でスピーディーかつ正確なので時代と共に益々、進化して行くでしょう。

しかし、10月1日の東京株式市場のシステム故障はこの風潮に一石を投じる形となった。日経春秋の10月2日にも書いてあるが、昔は東証には「場立ち」と呼ばれる証券マンが満員電車のようにひしめきあっていた。

超アナログである。手話のような身ぶりで銘柄、株数、売り買いの伝達。中~高年の方なら皆、覚えている映像である。春秋欄では「窮地を救うべく老いた元証券マンたちがハンドサインで売買を再開したらどうだっただろう」と想像を膨らませている。

話は変わって、我々、医療の世界の話。最近は盲腸(虫垂炎)の手術も腹腔鏡で行うようになった。若い外科医は認定数アップのために、とに角、腹腔鏡でやりたがる。ところが東証と同じく、ある日、腹腔鏡の消毒が出来てなかったら「今日は手術出来ません。」と言うらしい。我々、古い外科医はそんな機械はなくてもメス一つでやってきたし、そんな時にすぐに替わってあげられる。

皆さん、コンピューターの現代ー少し立ち止まって考えることも必要ではないでしょうか?

男性の尿のトラブルには前立腺肥大が関与しています。

この危険因子にはメタボがあります。肥満になると「インスリン抵抗性」が起こり、食後高血糖になって前立腺に炎症が起こるのです。また肥満になるとテストステロンも低下します。この「テストステロン低下」も前立腺に炎症を引き起こします。

以前にも書きましたが、テストステロンは男性ホルモンで20才をピークに加齢と共に分泌が低下します。肥満は、その低下を助長します。「メタボ」「うつ」「ED」「下部尿路症状」などはテストステロンを媒介しリンクしています。

テストステロンとうつはリンクしているのでテストステロンが低下すると扁桃体から嫌な記憶が噴き出してしまい、うつや不安などの原因になります。またテストステロンは全身の血管内皮などから放出される「NO(一酸化窒素)」という物質を作り出します。NOは血管を拡張させたり平滑筋を弛緩させたりする働きがあり、全身のしなやかさを保つには欠かせません。

結局、「メタボの治療」「コントロール」「運動習慣」「精神的ストレスの解消」「前立腺の炎症を抑えるサプリの使用」等が大切だと思います。

 

中学生の漢文の授業で習った「断腸の思い」という言葉。それはそれは辛い意味があります。

久しぶりに漢字辞典で復習してみました。

中国の知識人の逸話を集めた文言小説集である「世説新語」(せせつしんご)の中にあります。

晋の武将が船で戦場に向かう際、従者が峡谷で子猿を捕まえて船に乗せた。それを見ていた母猿は悲痛な声を上げながら船を追い百里ほど行った所でようやく船に飛び乗ったが、心労のためか泣きわめいて苦しみ、すぐに死んでしまった。

その後、母猿の腹を割いてみると腸が無残に断ち切れていたと。

この故事から「はらわたが ちぎれるくらいの深い悲しみ」を指すようになりました。

母の子を想う気持ち。よく分かりますね。

「死別」が一番の「断腸の思い」かもわかりません。

加藤諦三さんの本(三笠書房)を読んでみた。

人生の目的は悲しみを背負うことでもなければ、自分の悲しみに耐えることでもないのです。わたしたちは生きる過程で徐々に賢くなればいいのであって、何も悪いことばかりしょいこむ必要はないのです。

トラブルを防ぐ7つの原則がありました。

①自分が努力しても、できないと思ったら手を出さない。

②今の状況をそれがどんなものであるかではなく、どんなものになっていく可能性があるかによって判断すること。

③トラブルは絶え間なく成長すると覚えておくこと。

④将来的にそれが耐えがたいものになるかもしれない、と見抜く知恵を持つこと。

⑤トラブルに対し、はねつけるだけの勇気をもつこと。

⑥「そんなに深刻にはならないでしょう」と親しい者に言われても信じないこと。

⑦トラブルがどうしようもなく大きくなったら、そこから逃げだすための度胸を持つこと。今すぐに。

 

にっちもさっちもいかなくなる前に手を打って下さい。

我々は一生トラブルとの闘いになりますから。

 

 

9月になって暑くても世の中は秋モード。

秋の味覚のひとつがサンマです。この間まで一匹100円で庶民の味方でした。ところが今や1000円では買えません。乱獲もあるのでしょうか?

さてここで「目黒のさんま」の話を思い出してみましょう。これは落語の噺の一つです。間違っても昔は目黒でサンマが捕れていたなんて人前で話すと大恥をかきます。

簡単に復習してみます。タイなどの高級魚しか食べたことのないお殿様がタカ狩りの途中、腹を空かせた。ところが供が弁当を忘れた。そこへ嗅いだことのない旨そうな匂いが漂ってきた。殿様が匂いの元を尋ねると、さんまという下衆魚だと言う。腹の空いた殿様が炭火で焼かせ食べた所、非常に美味でその後、大好物となった。

それ以来、「さんまは目黒に限る」と断言するようになった殿様。世俗に無知な殿様を風刺する話でもあります。

なんとかサンマが手に入らないですかね。

 

8月の日経新聞に猛暑リスクについて詳しく話してあった。

地球の温暖化は灼熱の暑さをもたらし「熱リスク」が人々の健康や経済を蝕(むしば)もうとしている。

今年も熱波が世界を襲った。カリフォルニア州デスバレーでは8月、気温54.4度を記録した。フランスやスペインでも40度を超える日が続き、当局が警戒を呼びかけた。

ILOが特に指摘するのが「熱ストレス」である。熱ストレスで失う労働時間が30年までに世界で2.2%に達し、経済損失は250兆円になる。

世界の気温は既に産業革命前より1度上がった。1度程度でも熱ストレスが心身を侵す。目まいや極度の疲労は企業のサプライチェーンなどに悪影響を及ぼし生産活動や食料供給の停滞を招きかねない。

03年に起こった熱波ではフランスで死者が1万5千人に上り社会が大きく混乱した。

欧米の研究チームは今世紀末にかけて海面が1.1m上がるという脅威を訴えている。蚊が媒介するデング熱は1970年以前は流行が9ヵ国であったが現在は100ヵ国以上に広がっている。頻発する洪水もコレラの感染者を増やした。

温暖化のリスクはコロナ以上に深刻だと思います。知恵を絞らないと地球が終わってしまうと感じます。

(追伸)

猛暑もそろそろ一段落し、ゆうちゃんも運動会でした。運動会はやはり秋が一番。

見学に行った まりかでした。