江戸の医者(その2)
前回に引き続いて面白そうなのを選びました。
①眼を病んで 夢は眼医者を 駆け巡り
ご存知の芭蕉の辞世「旅に病んで 夢は枯野を かけめぐる」のもじり。
②ねた人を さじで起こすで はやるなり
さじは薬の配合に用いられることから医療の代名詞。
寝込んでいた病人に適切な薬を与えて回復させた、即ち起き上がるようになった・・・といった実績で名医として評判が高まり患者が集まってくる。
③脈を見て 逃げた流石(さすが) 名医なり
評判を落としそうな難病人には手を出さない。「診立て」の能力も名医の条件であった。
④痘神に 惚れられ娘 値が下がり
天然痘の発疹は顔面に多数の瘢痕を残し、容貌は著しく損なわれた。
⑤はやり風 十七屋から 引きはじめ
十七屋は飛脚のこと。各地を飛び回る稼業はインフルエンザをもらいやすい。
以上で終わりますが、川柳から見た江戸の医者。面白いですね。