変形性膝関節症の患者は日本では2500万人以上と推計される。女性は男性の1.5~2倍多く、外来でも膝痛に苦しむ人は非常に多いです。

レントゲンで関節の変形がひどくても「痛みはない」という方も多い。つまり変形だけでは説明できない複雑さがあります。

一般的に軟骨がすり減ると痛みが生じると思われがちだが、軟骨には神経も血管も存在しません。つまり軟骨が傷ついても痛みは生じません。

また半月板も外周3分の1には血管はあるが内側には神経も血管も存在しないため、そこでも痛みは生じないのです。しかし軟骨や半月板が傷つくと、そこへ新しい血管や神経が侵入することがある。この場合はこれらの部分でも痛みが生じる可能性がある。

MRIによってかなり詳細に微細な変化を読みとれるようになりましたが、膝の痛みは多様な要因が複合的に絡み合っていることが多いので、MRIでは分からないことも多いです。

ただ、運動療法は薬物療法と並んで効果があることは間違いないと思います。