日本人は昔から月が好きである。太陽よりも好きという人が圧倒的でしょう。「三日月」「新月」「夕月夜」「宵月」等、季語も多い。
私は阿部仲麻呂の「天の原 ふりさけみれば春日なる 三笠の山にいでし月かも」は大好きな和歌である。さすが百人一首に選ばれているだけのスケール感がある。
花札でも「月見で一杯」という役がある。
さて世界広しと言えども「月見うどん」があるのは日本だけである。生卵を落としただけで、これを月に見立てるとは日本人の風流心ここに極まれり、というところである。
ゆうちゃんは、やはり「月には兎がいて餅をついている」と言っている。可愛いらしい発想である。
さて月は日中でなく夜に天空で輝きを放つ存在が古代より不思議なものであった。また我々の身体が月による潮の干満の影響を受けていることも摩訶不思議だし、月の満ち欠けを利用した「太陰暦」が明治維新まで使われていました。
月を愛でるのは他国では祝祭的な騒ぎになるが、団子や果物を供え、しんみりと月を眺め酒を酌み交わすという上品さは日本独特の文化です。
やはり「月見で1杯」ですね。