「腔」は、うつろ・中空という意味で「からっぽ、がらんどう」を表わす漢字である。 クラゲやイソギンチャクのように内臓部分が、がらんどうに見える生物を腔腸動物(こうちょう)と呼ぶ。 しかし「腔」を本来の「コウ」と呼ばずに現実、特に医学界では「クウ」と呼んでいる。 口から吸った空気が取りこまれる部分は口腔(コウクウ)、胸を中心とする呼吸器官を胸腔(キョウクウ)、腹は(かつて中空と考えられていたので)腹腔(フククウ)、鼻の奥は鼻腔(ビクウ)と。 何故こんな間違いが起こったのか? それは「腔」という漢字の右半分が「空」であり、その音読みの「クウ」に引きずられてしまって医学界では定着してしまったのです。 2019-06-27