世の中、「人の知能はいらない。AIがあるから」という風潮が最近、よく見られる。何でも機械、コンピューターに頼る。それ自体は効率的でスピーディーかつ正確なので時代と共に益々、進化して行くでしょう。

しかし、10月1日の東京株式市場のシステム故障はこの風潮に一石を投じる形となった。日経春秋の10月2日にも書いてあるが、昔は東証には「場立ち」と呼ばれる証券マンが満員電車のようにひしめきあっていた。

超アナログである。手話のような身ぶりで銘柄、株数、売り買いの伝達。中~高年の方なら皆、覚えている映像である。春秋欄では「窮地を救うべく老いた元証券マンたちがハンドサインで売買を再開したらどうだっただろう」と想像を膨らませている。

話は変わって、我々、医療の世界の話。最近は盲腸(虫垂炎)の手術も腹腔鏡で行うようになった。若い外科医は認定数アップのために、とに角、腹腔鏡でやりたがる。ところが東証と同じく、ある日、腹腔鏡の消毒が出来てなかったら「今日は手術出来ません。」と言うらしい。我々、古い外科医はそんな機械はなくてもメス一つでやってきたし、そんな時にすぐに替わってあげられる。

皆さん、コンピューターの現代ー少し立ち止まって考えることも必要ではないでしょうか?