「桜」を詠んだ和歌、俳句。皆様も色々な好みがあると思います。

芭蕉は「さまざまな 事をおもひ出す 桜かな」と詠みました。

本来、桜は農耕民族であった日本人の営みに密着した花でした。雪が解け、桜が咲けば畑仕事が始まる。田の神の異名はここに由来する。人々は五穀豊穣を願って田の神に感謝の酒を捧げ集って食事をした。現代の花見の趣とはだいぶ違います。唯、今年はコロナ禍で「花見」が敬遠される寂しい春です。

桜はたった7日余りで蕾、開花、満開、散る、を生きる。

人はそこに無常を感じました。

在原業平の有名な句、「世の中に たえて桜のなかりせば 春の心は のどけからまし」とやはり春と言えば桜でした。

また、平安末期の西行の桜の歌は大好きです。

「願わくは 花の下にて春死なん そのきさらぎの望月の頃」

旧暦2月15日の満月の頃、(今で言う3月中旬以降の満月のあたり)

満開の桜の下で死にたい、と。自ら望んだ日のわずか1日遅れで死んだ西行に当時の人々は驚嘆したと伝わっています。

皆さん、「桜」で是非、一句作って下さい。