お正月などの祝い膳には、箸の中ほどが太く両端が細くなっている柳箸を使います。「柳に雪折れなし」と言われるように柳はしなやかで折れにくいことから縁起がいいとされているからです。

両端が細くなっているのは片方は人間、もう片方は神様が食べるためとされています。

正月に年神様と一緒に食べることで、一年の幸せと健康をいただくのです。

さて、箸の名前の由来には諸説あり、人間と食べ物をつなぐ命のかけ橋からという説があります。箸が使えなくなることは食物が口に入らなくなり死を意味します。

外で使用した割り箸にもその人の魂が宿ると考え、そのまま捨てませんでした。災いにならないように食べ終わったら割り箸を折り、箸に宿った魂を自分に戻してから捨てたそうです。

「箸を折る」のも深い理由があるのですね。

 

(追伸)

3月11日で当院が35周年を迎えたことは前に報告しました。

さて、そのことを知った高齢の女性患者Kさんが、実に手間暇かけて、鶴を(ペーパータオルで)記念にと折ってくれました。Kさんは、ほとんど全盲なのですが、本当に真心がこもっていて嬉しかったです。

ありがとうございました。