日経新聞2月6日号の春秋に興味ある記事を見つけたので引用する。

文学紹介者の頭木弘樹さんは30年以上、病のせいでマスクが手放せなかった。常にマスクをしているのは当時、少数派の時代。外出のたびに人の視線を感じた。この頭木さんにとってコロナパンデミックは大転換をもたらした。

マスクをしている人は〇、してない人は✕。正統と異端の完全な逆転。こんなに簡単にひっくり返るものか。

一昨年夏、日刊夕刊のエッセーに記した。

そのあべこべ状態が3年も続いた。

さて政府は5月8日からコロナを「普通の」感染症にすると決めた。マスクは各自の判断と言う。今からライブハウスで外す人と着ける人の間のトラブルや学校現場でもマスクを理由にした差別への懸念が聞こえる。

問題は、この国の悪い特徴である個人の考えよりも多数派を重視すること。少数派が居心地の悪い社会にならないように願っています。