「坐薬」と聞くと皆さん、どんなイメージをお持ちですか?

きっと「小児がクスリをうまく飲めないのでお尻から入れるヤツ」というイメージが強いのじゃないでしょうか?

しかし高齢者などにも使用しています。

坐薬として用いられるクスリには解熱鎮痛、抗けいれん、吐き気止め、下剤などさまざま存在します。

入院患者さんの高熱に対しては、さまざまなケースで坐薬を使っています。それにはちゃんとした理由があります。

坐薬の成分は直腸から吸収され効果の発現が内服薬に比べてかなり早いのです。

内服薬は小腸から吸収されるとまず門脈を通って肝ぞうに到達しその後、全身の血液に分布します。このときクスリは肝ぞうである程度、代謝分解されてしまいます。(初回通過効果)。

坐薬は、つまり初回通過効果を受けないので内服薬に比べ発現が早く、しかも効果が優っています。

坐薬の成分は「基剤」というものに含まれていて、その基剤が直腸の体温で溶けて成分が溶け出し吸収され効果を出します。基剤が高温の場所だと溶けてしまうので冷ぞう庫で保管して下さい。

最近、整形疾患の痛みにも内服で効かない人に坐薬を処方して、うまく行ったケースがよく見られます。