A君は人と対立することが苦手で会議の場では議論を避けてきました。

ある時、ラグビーの試合を見て少なからず衝撃を受けました。それは「ノーサイド」という言葉です。

プレー中は激しい闘志をみなぎらせて戦った選手同士がゲームが終わると全てを忘れて互いに健闘を称え(たたえ)合います。その姿にA君は大きな感動を覚え、「今の自分に必要なのはこれだ」と膝を叩いたのです。

A君は会議で厳しく自分の意見に反論してくるB上司が苦手でした。

ところが、ある日、電車を先に降りたB上司がホームでA君を見送ってくれたのです。これこそまさにラグビーで言う「ノーサイド」だと思いました。

結論が出たらサッと気持ちを切り替える爽快さを学んだA君でした。