2月に入って東京へ。東大の1次試験は駒場。2次試験は本郷であった。1次試験に備えて親父と共に下高井戸にあった親戚の家(空家)で過ごすことになった。地理に不案内な私は、親父に連れられて初めて電車を乗り継いだ。1次試験に合格したあと、今度は2次試験。今度は母親が親父と交代した。旅館は東大のすぐ近くであった。
試験があと2日という日に私は微熱(37~37.3℃)が出て、心配した母親は東大の近くの病院に私を連れて行った。レントゲンをはじめ検査をしたが全く異常はなかった。試験の前日の夜、心配した母親は仲居さんに私用に湯タンポをしてもらうように頼んでいた。ポカポカと温かかったが、母親が仲居さんにそっと小遣いを渡しているのを垣間見た。今になって親の愛情に感謝をしている。
記憶が乏しいが、3月6日頃に1次試験の発表があり3月8日に2次試験、そして3月20日頃に合格発表であったような記憶がある。
そしていよいよ母親と一緒に合格発表を見に東京に出かけたのである。
(つづく)